社会保険手続き

Ⅰ 適用事業所と被保険者

(1) 適用事業所

①強制適用事業所

社会保険の適用事業所となるのは、株式会社などの法人の事業所(事業主のみの場合を含む)です。また、従業員が常時5人以上いる個人の事業所についても、農林漁業、サービス業などの場合を除いて厚生年金保険の適用事業所となります。

②任意適用事業所

上記(1)の適用事業所以外の事業所であっても、従業員の半数以上が厚生年金保険の適用事業所となることに同意し、事業主が申請して厚生労働大臣の認可を受けることにより適用事業所となることができます。

(2) 被保険者

①被保険者

適用事業所に常時使用される70歳未満(健康保険は75歳未満)の方は、国籍や性別、年金の受給の有無にかかわらず、社会保険の被保険者となります。
「常時使用される」とは、雇用契約書の有無などとは関係なく、適用事業所で働き、労務の対償として給与や賃金を受けるという使用関係が常用的であることをいいます。試用期間中でも報酬が支払われる場合は、使用関係が認められることとなります。

②パートタイマー

パートタイマーであっても事業所と常用的使用関係にある場合は、被保険者となります。常用的使用関係にあるかどうかは、労働日数、労働時間、就労形態、勤務内容等から総合的に判断されます。
労働時間と労働日数が一般社員の4分の3以上であるときは、原則として被保険者とされます。
ただし、この基準は一つの目安であり、これに該当しない場合であっても就労形態や勤務内容等から常用的使用関係にあると認められる場合は、被保険者とされます。

③被保険者とされない人

被保険者とされない人 被保険者となる場合
日々雇い入れられる人 1か月を超えて引き続き使用されるようになった場合は、その日から被保険者となる。
2か月以内の期間を定めて使用される人 所定の期間を超えて引き続き使用されるようになった場合は、その日から被保険者となる。
所在地が一定しない事業所に使用される人 /
季節的業務(4か月以内)に使用される人 継続して4か月を超える予定で使用される場合は、当初から被保険者となる。
臨時的事業の事業所(6か月以内)に使用される人 継続して6か月を超える予定で使用される場合は、当初から被保険者となる。
(3) 被扶養者・第3号被保険者

被扶養者・第3号被保険者は個別に保険料を負担する必要がありません。

①健康保険の被扶養者になれる条件

<被保険者の範囲>

1.被保険者の直系尊属、配偶者(戸籍上の婚姻届がなくとも、事実上婚姻関係と同様の人を含む)、子、孫、弟妹で、主として被保険者に生計を維持されている人

2.被保険者と同一の世帯で主として被保険者の収入により生計を維持されている次の人

  1. ① 被保険者の三親等以内の親族(1.に該当する人を除く)
  2. ② 被保険者の配偶者で、戸籍上婚姻の届出はしていないが事実上婚姻関係と同様の人の父母および子
  3. ③ ②の配偶者が亡くなった後における父母および子

<生計維持の基準について>

【認定対象者が被保険者と同一世帯に属している場合】

認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上またはおおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満である場合は被扶養者となります。

【認定対象者が被保険者と同一世帯に属していない場合】

認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上またはおおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者からの援助による収入額より少ない場合には、被扶養者となります。

②厚生年金の第3被保険者になれる条件

厚生年金、共済組合に加入している第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者(年収が130万円未満の人)を第3号被保険者といいます。

Ⅱ 保険料

厚生年金保険の保険料は、毎月の給与(標準報酬月額)と賞与(標準賞与額)に共通の保険料率をかけて計算されます。
保険料率は、平成17年9月以降は毎年9月に引き上げられ(被保険者の区分に応じて引き上げ率は異なります)、平成29年9月からは固定されます。
また、保険料は、事業主と被保険者とが半分ずつ負担します。

①標準報酬月額

被保険者が受け取る給与(基本給のほか残業手当や通勤手当などを含めた税引き前の給与)を一定の幅で区分した報酬月額に当てはめて決定した標準報酬月額を、保険料や年金額の計算に用います。

<報酬の例>

基本給のほか、能率給、奨励給、役付手当、職階手当、特別勤務手当、勤務地手当、物価手当、日直手当、宿直手当、家族手当、休職手当、通勤手当、住宅手当、別居手当、早出残業手当、継続支給する見舞金等、事業所から現金又は現物で支給されるものを指します。
なお、年4回以上支給される賞与についても標準報酬月額の対象となる報酬に含まれます。

<標準報酬月額の決定及び改定>

標準報酬月額の決め方 内   容
資格取得時の決定 被保険者が資格取得した際の報酬に基づいて一定方法によって報酬月額を決定し、資格取得月からその年の8月(6月1日から12月31日までに資格取得した人は、翌年の8月)までの各月の標準報酬とする。
定時決定 毎年7月1日現在で使用される事業所において、同日前3か月(4月、5月、6月、いずれも支払基礎日数17日以上)に受けた報酬の総額をその期間の総月数で除して得た額を報酬月額として標準報酬を決定し、9月から翌年8月までの各月の標準報酬とする。
随時改定 被保険者の報酬が昇給・降給等で固定的賃金に変動があり、継続した3か月間(いずれも基礎日数17日以上)に受けた報酬総額を3で除して得た額が従前の標準報酬の基礎となった報酬月額に比べて「著しく高低を生じた場合」において、厚生労働大臣が必要と認めたときに改定する。
育児休業等終了時の改定 被保険者からの届出によって、育児休業等終了日の翌日が属する月以後3か月間に受けた報酬の平均額に基づき、その翌月から新しい標準報酬月額に改定する。
保険者決定 資格取得時決定における算定方法及び定時決定における算定方法による算定が困難なとき、資格取得時の算定額が著しく不当であるとき、定時決定の算定額が著しく不当であるとき、随時改定の算定額が著しく不当であるとき、一時帰休による変動があったとき、のいずれかに該当するときは、厚生労働大臣が算定する額を被保険者の報酬月額として標準報酬月額を決定(改定)する。

②標準賞与額

標準賞与額とは、実際の税引き前の賞与の額から1千円未満の端数を切り捨てたものです。標準賞与額の上限は、健康保険は年間540万円(4月1日~3月31日)となり、厚生年金は月間150万円となります。

③児童手当拠出金

被保険者個々の標準報酬月額および標準賞与額に0.15%を乗じて得た額を事業主が全額負担します。

④保険料の納め方

翌月の末日までに下記の方法で納めることになっています。

  1. ・口座振替
  2. ・金融機関の窓口で納付
  3. ・電子納付

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